イブニングコートとは

イブニングコートには、主に二つの意味があります。
まず、男性用の場合には、燕尾服とかスワローテールコートとも呼ばれます。
スワローテールの名の通り、後ろ姿がツバメの尾羽根のような形状になっているのが特徴の男性用の正装です。
日本でも結婚式などで新郎が着用するように、男性の礼装の中でも一番格調高い正装として知られています。
基本的には、男性の夜会服の中で最も格調高い服装で、主に社交界のパーティーなどで着用されてきました。
また、女性用としては、イブニングドレスの上に羽織るコートという意味合いももっています。
男性と同様、女性の夜会用正装であるイブニングドレスの上に羽織るのが目的で、パーティー会場への行き帰りの際に、防寒や肌を隠す意味で利用されてきたコートです。
女性用のイブニングコートの場合は、ほとんどがロングコートで、あまり飾り付けのないオーソドックスなものが基本です。
あくまでもファッションの主体はイブニングドレスの方ですから、コート自体にはそれほど派手な飾り付けはされないのが一般的でしょう。
近年では、毛皮のロングコートをイブニングコートとして着用するケースがセレブの間では主流でしたが、動物愛護などの意識が高まり、セレブの間でも毛皮離れが徐々に浸透しつつあります。
いずれにしても、特別な防寒や機能を目的とはしておらず、あくまでもパーティー会場と自宅の間で一時的に着用するコートという位置づけで利用されることが多いようです。