プリンセスコートとは

プリンセスコートとは、その名前の通り、お姫様のドレスラインと同じ形状のコートをいいます。
いわゆるＡライン形状・プリンセススタイルと言われる形状のコートです。
上半身はフィットしていますが、スカート部分はフレアーが入って、フワッとした優しいラインなのが女性らしさを強調させるため好まれています。
ベルトはないのが特徴で、女性らしいラインを強調したスタイルとなっており、主に女性用コートとして取り入れられているデザインです。
特に若い女性を中心として人気が高いスタイルで、昨今ではロリータ系ファッションや小悪魔系ファッションにも取り入れられています。
上半身がフィットしていてウエストラインを細くしている形状のため、あまり中に厚着できるコートではなく、ドレスの上に羽織るといった使い方が主流で、機能性よりもファッション性が重視されているコートです。
現在では、このように主に女性用のファッション目的で利用されることの多いプリンセスコートですが、元々は男性用コートとしての側面が強く、男性用コートの代表格と言われていました。
近年では、丈の長さやフレアーの大きさなど様々なものが販売されており、中にはほとんど防寒機能を持たないファッション目的だけの薄手のコートも多いようです。
いずれにしても女性なら一度は憧れるタイプのファッションではありますが、機能的な面と使用できるシーンやファッションが限られているため、特定の人達の間で流行することが多いコートです。

ピーコートとは

ピーコートは、風が強く吹いている海上で作業する船乗りや水兵のために開発された防寒用コートです。
防寒用といっても、作業の邪魔になっては危険ですから、その丈は短く、臀部が隠れる程度の腰丈という特徴があります。
また、防寒用ですから、厚手のウールで作られており、ダブル前で作られているのが基本スタイルです。
その他の特徴としては、少し大きめの襟とポケットは縦に切込みの入った形となっています。
そして、一番大きな特徴は、右前・左前の両用出来る機能を持ち合わせており、男女で兼用出来たり、風の向きに合わせて合わせを逆にしたり、ボタンが取れたり割れたりしたら合わせを逆にして着るというような珍しい特徴を持ったコートです。
現在でも水兵や船乗りの間では愛用されているコートで、防寒具としての機能や環境の厳しい船の上での作業には大変適した機能性の高いコートです。
日本では学生服の上から着る防寒着として以前は多く見受けられましたが、最近ではピーコートを着用している学生の姿はほとんど見かけることがなくなりました。
暖冬の影響やファッション的に昨今の流行とは路線的に外れていることもあり、日本国内での需要はあまり無くなってきているようです。
とはいえ、一枚持っているととても便利で、ファッション的にも様々な用途で利用でき、防寒性にも優れていますから、定期的に今後も流行する可能性は高く、様々なデコレーションを施して独自にアレンジ出来るコートでしょう。

トレンチコートとは

トレンチコートは、元々は寒さの厳しい冬に使用するコートです。
形状的には踝から膝くらいまでの長いコートで、大きな襟と太いベルトが特徴となっています。
第一次大戦で、極寒の地での持久戦に対応するために、防水タイプで軍人用に使用されたコートが始まりとされています。
夜露や雨をしのげるよう防水加工され、襟を立てて首や顔を寒さから守るため大きな襟を持ち、水筒などを釣り下げられるよう金具付きの太いベルトをつけ、必要なものを持ち歩くための大きなポケットや肩章など、兵士にとって必要な様々な機能を網羅した機能性抜群の外套として発達したのがトレンチコートです。
元々の素材はほとんどが防寒性を重視したウールでしたが、最近では化学繊維や皮革製品も販売されるようになりました。
また、本来は寒い冬のためのコートでしたが、近年では薄手のスプリングコートやレインコートに、このトレンチコートのデザインだけを取り入れて販売しています。
それに、現代ではサラリーマンがスーツの上から羽織る防寒具としての色合いが濃く、外回りの多い営業マンがよく愛用しているようです。
もちろん、男性だけでなく、女性にもトレンチコートは人気があり、社会人の女性なら一枚くらいはトレンチコートのデザインをしたコートを持っていると思います。
ただ、女性の場合は、防寒性や機能性を重視してというよりは、シャープな印象を与えるトレンチコートのデザインやファッション性が人気の理由でしょう。